猫の里親募集サイトについて思うこと

うちのツキ(仮)の遊び相手を探そうと、ほぼ毎日チェックしている里親募集のサイト。里親についていろいろ条件を付けている人が多い。よく見かけるのは「一人暮らし不可」「同棲不可」「高齢者不可」。
私は一人暮らしだが、今のツキをもらうときの元親さんは、うるさい条件もなく、私にとってはとてもラッキーなことだった。上記の条件を見ると「偏見による差別だな」と不愉快な気持ちにはなるけれど、世の中、里親を必要としている猫は文字通りゴマンといるわけで、じゃあそういう差別的条件のない人のところからもらえばいいのだ、と最近は達観している。それに、せっかく保護して幸せに育って欲しいと思う故の、その人が最善と思う条件だと思えばあまり腹も立たない。
にしても、ひっかかる表現が2つある。
一つは「保護活動を継続するために、保護にかかった医療費とお届けの交通費をいただきます」というもの。確かに費用はいろいろかかっているだろうが、それはあなた、自分の勝手でやっていることでしょう。「費用を払ってもらうのが当たり前」というその態度には、非常に胡散臭いものを感じる。私個人としては、ツキ(仮)をもらうときもそうだったけれど、「交通費」を含めてこちらが感謝している分については謝礼をお渡しした。先方は逆に恐縮していたけれど、ツキ(仮)を世話してくださっていたことを考えれば、自然とわいてくる感謝の気持ち。それを、まるで「費用を払うのが条件」のような里親募集をしているのを見ると、この人の本当の目的はどこにあるのか、と懐疑的になる。他人の金銭的サポートをあてにしたボランティア活動って、本当に「ボランティア」と呼べるのだろうか。
もうひとつ、嫌いな表現で、里親募集サイトに限らずよく見聞きするのは「ご遠慮ください」。こんな不遜な言い方ってどうなの?「お一人暮らしの方はご遠慮ください」「ご高齢者の方にはご遠慮いただいています」こういう文章を書く人って、どこまで馬鹿なんだろう。
「遠慮」というのは自発的なaction というかinaction であって、決して他人が強制できるものではないはず。昔の由緒正しい大金持ちの家の旦那が、大事な客と内密の話があるから、下働きの者たちに「悪いがちょっと遠慮しておくれ」というように、他人に対して使うときは常に「上から目線」である。だから「ご遠慮ください」という表現を見聞きするたびに「あんた何さま?」と言いたくなるのだ。本人はへりくだっているつもりらしいところが、余計に馬鹿さ加減をさらしている。